ベスト盤としては不十分おすすめ度
★★★☆☆
発売前にアナウンスされた収録曲から40数年に及ぶハンコックの
キャリアを1枚のCDにまとめるのは無茶だと分かってはいたけれ
ど実際に聴いてみた後もその思いは変わらなかった。複数のレコ
ード会社が持つ権利関係の問題もあるのだろうけどせめてCD2枚組
くらいのキャパシティーが必要だろう。ブルーノート時代が2曲、
ワーナー時代が1曲、CBS時代が3曲、90年代以降のヴァーヴ以降の
ものが2曲のボーナストラックを含めても6曲とバランス的にも問
題があるしCBS時代の『ヘッドハンターズ』から2曲というのも同様。
また4ビートの曲をほとんど収録せずヴォーカリストをフィーチャ
ーした曲が5曲あるなど、『ポッシビリティーズ』や『リヴァー』
でハンコックに関心を持ったリスナーへアピールするのが目的だ
としてもこれでは却って新たなファンには不親切ではないだろうか。
これらの点で原題のサブタイトルDefinitiveというのは誇大表現だ
ろう。
日本盤限定盤についているボーナスCDは『リヴァー』のセッション
からの未発表曲で優れた内容。またDVDは米Yahoo! Musicのプログ
ラムのためのライヴ映像3曲。メンバーは『リヴァー』にも参加し
ていたV.カリウタ、L.ルエケの二人に加えて、ベースがマーカス・
ミラー、サックスにボブ・シェパード。ジョニが2曲で歌っている。
こちらの映像は抜粋と思われるのでいずれは全長版として発売され
るのだろうか。
ハービー、ジョニ両方のファンを満足させる初回限定盤の素晴らしさおすすめ度
★★★★★
この初回限定盤は、ハービー、そしてジョニ・ミッチェルのファンには宝物となるだろう。
普通盤は本編CDのみ。アコースティック・ジャズとフュージョンの両方に軸足をおいて約50年ジャズ界を牽引し続けるハービーの足跡を振り返る。前者を代表するM1、後者を代表するM4、10、11が選ばれ、M11はこれまでDVDでしか聴けなかったヴァージョン。その他、S.ワンダーと共演したM5、ニルヴァーナの曲をアコースティック・ジャズの新スタンダードとして採り上げたM9等、彼のジャズの領域の拡大に積極的な姿勢も記録されている。約50年のキャリアをディスク1枚に集約するのは難しいが、情報豊富な日本語解説とともに、彼のジャズへの偉大な貢献はよくわかる(曲順は録音年代順ではないが)。V.S.O.P.での演奏があればと思うが、その代わり、去年発表され、グラミー賞年間作品最優秀アルバム賞に輝いた(ジャズ畑からの受賞はゲッツ/ジルベルト以来)、ジョニへのトリビュートの大傑作からM7、同じ曲をジョニ自身が歌うライヴのM12を選び、彼のアコースティック・ジャズの新境地の高みが強調される。
初回限定盤では、約21分のボーナスCDで、リヴァー・セッションから未発表の3曲を披露。リヴァーの極上のジャズの味わいに酔いしれた人には、その続編となる素敵な贈り物だ。そして約23分のボーナスDVDでは、ジョニが元気な姿で登場してハービーとステージで2曲共演する。音はドルビー2chだが、画質は悪くない。M3のアレンジがジョニのアルバム・シャイン収録のものに沿っていることもファンには嬉しい。
このように、ハービーのキャリアを振り返る一方、最新のジョニとのコラボレーションもハイライトされているのが初回限定盤の特徴。リヴァーやシャインが好きな人には初回限定盤がお薦めだ。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
まさに夢のコラボです
。他の方がコメントされているとおり、
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。