適度に育ちのいい子が身の丈にあったところに就職して,自分の身にふりかかってくることを,素で受け止めて,自分の中でかみ砕いて,ふりわけていくしなやかさも持ち合わせつつ,社会的にも対していく,その爽やかさに好感がもてる読後感.力ありの作家.今後に注目と期待
お客様第一!現場サラリーマン青春説おすすめ度
★★★★★
30歳直前でAPO=空港に「飛ばされた?」旅行代理店社員の奮闘と成長を、ほろ苦く、さらっと描く。
「お客様を笑顔で送り出す」のが、空港勤務あぽやんの役目。
パスポートを忘れた家族、や○ざの客のクレーム、
様々なトラブルを搭乗前に解決しなければならない。
成田空港といえば、花形の職場と思いきやそれは女性の話し。
男性にとっては他の職場で今一の人達のたまり場だそうで。
主人公のほろ苦い職場恋愛、
連続するNO-REC(予約記録無し)トラブルをミステリー仕立てで、
緊張感のある業務を演出する
“僕”の一人称語り口や、さらっと感のあるストーリ展開が読みやすいし、TVドラマにぴったり、
一昔前ならドラマ「ホテル」系かな。 「ドラマ化決定!」ってならないかなぁ。
表紙の絵がドラマを物語ってます。
少々狙い過ぎではあるが嫌な感じはしないおすすめ度
★★★★★
ミステリー作家としての地位は確たるものがある新野さんが
いかにも直木賞を狙ったのではないかという気がするが
読後感の非常にいい作品である。
このところ特に芥川賞作品やその候補作に多いのであるが
どうしようもない自分のだらだらとした出口のない日常を描かれるより
何か少しでも前向きな希望みたいなものが見える作品が今必要だと思っている
そういう意味でこの小説のように一見すると駄目な社員に見えるものが
ちゃんとお客さんに対してその責任を真っ当して
少なくとも何かを些細なことであっても成し遂げようとして努力して
例え大したことでなくとも結実するということがなんと清々しいことか
直木賞は獲れなかったけれど、この作品は良い作品だ。
時代性も反映しているし、何か希望や救いがある。
次はミステリーで直木賞候補になって欲しい。
凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。