伝説のモダンホラーおすすめ度
★★★☆☆
六番目の「サヨコ」の正体が明かされた後は、津村沙世子は何者なのかが謎の中心となる
のだが、結末に至っても、すっきりしない点がいくつか残ってしまった。
そこがファンタジーらしいと言えばそうなのだが…。
ただし「夜のピクニック」と同様、高校生(達)を主人公とする青春群像劇は、
現在も作者の得意とするところであり、そういった点は十分楽しめると思う。
読んだあと、サヨコ伝説をじっくりと、考えてみたい…おすすめ度
★★★★☆
深夜のドラマをたまたま見る機会があって、気になっていた作品でした。
ドラマは最初の回しか見ていません。
ですが、学校伝説と謎の転校生というスリリングな設定に、すぐに引き込まれたことはいうまでもありません。小説も「サヨコ伝説」にぐいぐい引き込まれます。
ところが、多くの方がご指摘の通り、オチがありません。フランス映画を観たあとと同じ気持ちになります(「海辺のポーリーヌ」とか)。フランス映画はそのあと観客同士の話題提供のため、あえてオチがないそうですが、作者もそれを狙ってのことでしょうか。
どっちにしても読んだあと、あれこれ考えたいという人にはオススメ。しっかりとしたオチがないとイヤだという人はツラい作品かもしれませんね。
学生生活についてのとらえ方が良い。おすすめ度
★★★☆☆
ミステリーとか、ファンタジーとか、青春小説とか
そういうくくりのなかで読むと、物足りないのかもしれないな、と思います。
それよりも、学生生活についての捉えかたや表現の仕方・・・そういった物語の根本にある部分について、私はとても興味深く読みました。
デビュー作だけあって、全体的なまとまりはないけれども、読んだ後になんとなく心に残る作品です。
やはり恩田陸おすすめ度
★★★★☆
作家という物は弱点が少なからずある物で、恩田陸の場合“話のオチが付けられない”という事が多いと思う。この第一作はその“オチの無さ”が非常に強い 。一応それらしく話は終わるのですが、作中の謎は投げっぱなし―――などか“オチが無い”
ただ、それでも恩田陸と謂うべきか。第一作で既に雰囲気やシチュエーションを魅せるなど、ひじょうに素晴しい点があります。わたし自身は恩田陸に“オチ”を期待しているわけではないので、本作はそこまで悪い作品ではないと思う。
星は四つですが、これは“弱点が大きく出てる”と謂う所を含めた上です。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。値段の割には上出来。
買って良かったと思います。