駄作・・・と言いけれない何かがある。・・・ようなおすすめ度
★★★☆☆
ミステリーとしてのできはお粗末だと思う。
重要な小道具であるヴィデオにたどり着くきっかけは、安直すぎて不自然だし、犯行の動機もあまりにゆるくて説得力がない。謎解きも延々と続く説明文会話で処理されてるだけ。首輪のエピソードもひどいと思う。駄作と言っても過言じゃない。
なのに、なんか心に残ると言うか、つい読み返してしまうのはなぜ!!!
エピソードがいいから?登場人物たちが魅力的だから?文章が冴えてるから?テーマに共感できるから?・・・いや、どれもちがうんだけどな・・・。
しいて言えば、さめた主人公のキャラと語り口は好き。190ページの3行目はすごくリアルだと思う。変な比喩も好き。シュールなお笑いのネタも悪くない。
折り返しにある、著者略歴がすごく興味深い。もしかしたら、「彼が作品を執筆してた時の暮らし、その時の想い」を主人公の向こうに想像しながら読んだから、おもしろく読めたのかもしれない。
タイトルがいいおすすめ度
★★★★★
八月 マルクスと来れば
なんとなく違う方向を想像してしまうのだけれど
いい意味で裏切られた。
良質のハードボイルド。
メディアのいやらしさを扱ったミステリイには
同じ乱歩賞受賞作の名作
『破線のマリス』があるけれど
あちらが報道なら
こちらはバラエティ
こちらもまた
メディアのいやなところを
巧みに描いてくれている。
ハードボイルドの
ダメな男に降ってかかる災難
当に忘れていた情や義理のために
やむなく動き出し
一度動くとそれは見事な仕事をし
信じていた友人が実は…
などのお約束も
これまた見事にそして結末を想像できないように
果たされていて。
なんと言っても評価したいのが
ほんとにささいな感情が
これほどに多くの悲劇を生み
人生を動かすという
ドラマのようで実際にもよくある話
読後感も悪くないし
読んで損はしないと思う
追記
文庫版表紙の挿絵
なぜかプロ野球の新庄選手に似ているような
偶然だが
作者名も
新野剛志
あはは。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!