登場人物が多いので、話の展開が飛び飛びな印象を受ける。特に本作は前作以上に様々な話を描いたために、印象が薄いシーンもある。その点は残念だ。また、給食費が払えない茶川さんの物語はいらなかったと思う。今までは、貧乏だけど頑張って生きる姿を描いていたのに、この給食費のシーンがあまりにリアルな話のため、少々引いてしまった。子供から大人まで楽しめるシリーズなのだから、その当たりを真剣に考えて欲しかった。
ほっこりと☆おすすめ度
★★★★☆
一作目と比べると、よりハッピーエピソード・グッドエンディングが描かれているので、その分ベタさやクサさは尚更強いかもしれません。
それでも一作目と同じように、妙に懐かしい昭和な町並みと溢れる人情味がそれをぎりぎりイヤミには感じさせません。無駄に正義誠実を装った作品ではないですしね。
どちらかといえば、一作目のほうがいいと思いますが、しっかりその延長戦を感じさせる出来です。
鈴木オート一家や茶川達を中心としたユニークでドタバタなやりとりは楽しいです。
物語はもっと大掛かりですが、感覚としてはサザエさんを見ているような、しみじみとしたほっこり感で見られる作品ではないでしょうか。
本当にその時代を生きた人なら、それもヒトシオかもしれませんね。素敵な下町物語って感じです。
すばらしい!良作!
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
買って良かったと思います。
概要
前作は東京タワーができるまでの夕日町に住む人々の姿が綴られた。今回は東京タワーも完成した昭和34年春からの物語。東京オリンビック開催が決定し、高度成長期へ突入した日本を背景にした人情劇が展開する。
メインとなるのは今回も駄菓子屋を営む茶川(吉岡秀隆)と、鈴木オートを営む鈴木家の物語。去ったヒロミ(小雪)のことを思い続けながら、彼女が連れてきた淳之介(須賀健太)と暮らす茶川。だがまた実父が淳之介を連れ帰りたいと言ってきたため、安定ある生活を求めて再び彼は芥川賞を目指して小説を執筆。実際に候補者へとなっていく。一方、鈴木オートではこれまでお嬢様として育てられた親戚の少女を預かることになり、またいろいろな騒動が巻き起こっていく。
個人的に考えさせられたのは、当たり前のように子供たちが親の手伝いをする姿。今では子供だけで買い物をする姿なんてまず見かけないが、本作では勉強や遊びの前に大人の手伝いをする子供たちの姿が描かれていて興味深い。そんな中から人は助け合う心などを学んだのでは? 映画でしか(あとはアニメ『サザエさん』くらいしか)こんな日本らしい姿を見ることがなくなった……というのもなんだか寂しい話だと思う。(横森文)