ホームレスに憧れ、数ヶ月間実際になってしまうサラリーマン、アイドルおたく、少しピントのずれたフリーターの女の子、ギャンブルで借金まみれになり、首がまわらなくなった男、家出して浅草のストリップ劇場の下働きをしていて、売れないお笑い芸人とコンビを組む女の子。こんな、人生を落ちこぼれ寸前ながらも、大真面目に一生懸命生きる人々を描いている。彼ら彼女らを見る「劇団ひとり」の目は限りなく優しい。また彼のコントを彷彿させるようなオチも各編に見られる。
いい本とはおすすめ度
★★★★☆
もともとプロの作家でない人間の書いた小説に偏見があり、
なおかつ、個人的に芸能人としての「劇団ひとり」が嫌いだ
ったこともあって、この本を手に取るにはかなりの勇気が必要
でした。だけど、素直に楽しめました。
確かに、「ブンガク」としてはあまり洗練されていませんが、
読者を楽しませる「商品」という意味では、とてもよく出来た
小説だと思います。むしろ、まどろっこしい表現を使わずに
自分自身の素直な「言葉」で綴られた物語は、とても読みやすい。
日陰の人生を歩む人たちのドラマには、読む者を惹きつける力が
あります。
芸能人としてのネームバリューがなくとも、多くの人の心に
響く小説なのでしょう。複雑なプロットや凝った表現テクニ
ックで誤魔化してない分、余計にそう感じるのかも。
文学賞の受賞した本が「良い本」なのではなく、たくさん
の人に読まれる本が「良い本」なのかもしれないと、認識
を新たにする思いです。
もちろんこれはこの小説に対する個人的な評価であり、
「劇団ひとり」に対する評価ではありません。
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
まさに夢のコラボです
。これは買わねばならないでしょう!
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。