この映画の監督は「摸倣犯」を監督した森田芳光という人とは同一人物ではないのかも知れませんおすすめ度
★★★★★
「の・ようなもの」で注目されていた森田芳光監督のメジャー?(ATGだけど)デビュー作であり、最高傑作。この後「それから」という佳作もあったが、森田芳光のこの頃の才気はどこへ行ってしまったんだろう。その年のワースト・ワンを争った「摸倣犯」といい、いまさらの「椿三十郎」のリメイクといい、おそらくデビュー後の数年で才能を使い果たしてしまったのでしょう。しかし「摸倣犯」の出来のひどさに憤慨した人もこの「家族ゲーム」は見ていただきたい。レコードの音までもカットしてしまうほど徹底的に音楽を排除して映像のみで語る感性、家族の食卓が横一列になっている構図(テレビドラマの中の茶の間の円卓では、背を向けて写る人間がいないように一方向だけいつも人が座らない不自然さに対する皮肉か)など、この映画にはオーソドックスな映画監督にはない若き天才の映像に対する熱意とアイデアが詰め込まれている。今は凡庸な中堅映画監督になった森田監督の一瞬の輝きであるが、日本映画史上に残る名作。
松田優作の魅力おすすめ度
★★★★☆
全体的なテーマはとてもシリアス。
だけど、ところどころコメディ要素が入っていて、飽きない。
1983年に発表されたとは思えないくらい、斬新で新しさを感じました。
松田優作演じる家庭教師は嫌な奴です。
しかし、彼が演じると魅力的な嫌な奴になります。
不思議です。
細部まで妥協なし
おすすめ度
★★★★★
出来は非常に良いです。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
ホント満点を付けても良い出来です。
概要
高校受験を控えた息子のために雇われた風変わりな家庭教師の出現によって、家族のありようが次第に変化していくさまを描いた、森田芳光監督のホーム・コメディ。キネマ旬報ベスト1など、その年の映画賞を総なめした名作であり、以後森田監督は「流行監督宣言」をし、時代のちょう児としてその後も意欲作を発表していくことにもなった。 横一列に家族が並んで食事する風景に代表されるように、きずながあるようでどこか薄い現代家族のとらえ方がユニークかつ秀逸。いじめ問題もさりげなく含まれ、またそれらのなかでメフィストのように家族を混乱させていく松田優作の名演など、見どころは実に多数。音楽を一切排除した手法も潔く、そのことによりラストのヘリコプターの音など現実音が、一段と印象強く観る者にせまってくることにもなった。(的田也寸志)