現在最高峰の絵コンテの一つおすすめ度
★★★★★
アニメファンからは特に評価が高い細田監督の絵コンテ集。
しかし、その出来上がった作品やこの絵コンテを見ても明らかに多くの人に観てもらえるよう作られています。
映画を観た人は「なるほど、こういう感じで作っていたんだ」と追体験できるし、
未見の人は、出来れば本編を観てからの方がいいけども絵がどのように動画になるかがわかる。
実際、絵コンテの読み方が分からなくても動いている様子が想像できるくらいにしっかりとしたコンテです。
演出や編集などの映像関係の仕事を目指す人やその仕事の人は読んでみる価値は十二分にあると思います。
こまのバランスを変えたらそのまま漫画にも出来そうなくらいに生き生きとしたコンテ。
アニメ産業は海外に流出しているような話ばかり聞きますが、
そんな目先にとらわれずに、日本の頑張っている人たちにもしっかりと光を当てて欲しいです。
情熱をもっていい物を作ることが後世へつながるのですから。
どこ目線だよ!?というツッコミは禁止の方向で・・・おすすめ度
★★★★★
完成品は未見。そのため絵コンテの感想なんですが、かなり本編内容にまで首を突っ込みますので、あしからず。
まず、こういった絵コンテを見る機会はなかなかないので(ジブリ関係と押井さんのものは見れますが)発行してくださったアニメスタイルさんには感謝致します。
さて、さすが細田さんと申しますか、1カット1カットのすべてがシーンを見せるのに効率的かつ効果的で、さらに本編のテーマ、文脈の表現まで考えて作られており、分析しながら読むのが大変おもしろいです。
ちょっと例を上げると、S105のC6みたいに、お客さんの気持ちが友梨に入りすぎないよう、消失点をフレーム外に置くなど、基本的ではあるけれど、標識や分かれ道など象徴的な演出をしているにも関わらず、ちゃんとお客さんが見えているのが、読んでいて好感が持てます。
絵もうまく、コンテの読み方がわからない人でも十分楽しめるレベルなのがまた良いですね。
ただ問題だと思うのは、扱っている時間の概念が古いこと。
シナリオの仕掛けもそうなんだけど、構図の撮り方にまで時間のイメージを乗せているので(例えば横の構図の使い方など)最近の冥王星のニュースみたく、時間の概念が一般的に変わるようなことがあると、途端に作品の寿命がつきてしまう気がします。デジタル時計の描写が、その予防線になっていると捉えることも出来ますが、タイムリープ中の描写が空間の移動を表しているようなので、効果は相殺されてしまい、見方によっては、作品そのものが空中分解する危険があるように思います(もちろん見る側があらかじめ了解していれば問題ないと思いますけど・・・)。
まあ、なんだかんだ言っても技術的にすばらしいコンテであることは間違いないので、(特にアニメ演出家志望者は)本がボロボロになるまで楽しみ尽くしましょう。
まさに夢のコラボです。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。