作家志望であったというミドリカワ書房なる異色のシンガーソ・ングライターのデビュー作です。噂を聞いてコミック・ソングを期待して手に取りましたが、実際に聴いてみるとこのアルバムのテーマは「笑い」ではありませんでした。歌詞はいかにもありそうな(しかも誰も歌のテーマにしなかった)「現代社会」の一つの側面を描写するというものです。インタビューによると、昔は自分についての歌を書いていたようですが、「俯瞰視してみるとつまんないと思って」現在のような作風にしたそうです。・・・確かにこうした内容は、コロンブスの卵と言いましょうか、注目に値するものであるとは思います。ただ個人的には、多くの曲で悲惨な情景が歌われるにもかかわらずそこに作者の「痛み」はなく、共感を呼ぶものではありません。歌詞の内容は醒めた傍観者としての視点からの記述ですが、表層的で決定的にリアリティに欠けています。これは物書きとして致命的であり、彼が文筆家として大成しなかった理由と思われます。
また、オトとしては、歌詞が聞き取りやすいようにアレンジされた普通のポップスです。歌は下手で、音楽として聴くのは厳しいですが、メロディは予想以上に美しく、どうせならこちらをアピールして若者らしく焦燥や怒りを歌った方がいいだろうに、と思いました。
結論としては、活気に乏しい日本の音楽業界に話題提供しうるものとして注目を浴びているのみであり、それ以上の意義の見出せない音楽で、使い捨てにされる可能性が高いと思います。
こどもはだめでも、おとなは聴いておけおすすめ度
★★★★★
一言でいうとエグい!
でも人生ってこんなもんだよな。きっと。
振り返ってもどうしようもない道を歩き続けるしかないんだよな。
なさそうでいて、実はありふれた物語がリアルに語られる。
こんな名盤に巡り会えたことは幸せだ。
なかなかメジャーにはならないだろうアーティスト。
なぜなら、お昼やゴールデンタイムに、TVやラジオなど主要なマスメディアにオンエアされないだろうから。流すと問い合わせも苦情も殺到しそうだ。
ほんと曲調はシンプル。
語りかけるようにゆったりとしたフォーク調の音に乗せて、詩が淡々と綴られる。だが、その内容がどぎつい。
人生の隙間を、アームブロックをすりぬけてえぐるようなアッパーカット。そんな歌がずっと並ぶ。
それでいて、ナレーションがとぼけすぎる。相当にダークなのに、くすっと微笑まずにはいられない。
こんなに計算しつくされていいのか。
トラック7は特に変! えつこママがんばれっ。
『馬鹿兄弟』『雄と雌の日々』『ユミコ』は、心の奥にぐさりと刺さる。
だがこれに輪をかけて、最後の『私には星が見える』は心底きつい。
俺なんか見るなって、お前っ! 何考えてんだよ! 莫迦野郎。もっと恋を探せよ、お願いだ…幸せ見つけろよ! そう、ほんとうに心底つっこみたくなる。
原点にあるのは、江戸前の気風の良さ? ナニワの根性? ちょっと違う気がする…誰もが持っている人としての優しさといったところか。
私たちが心の奥底に秘めている、懐かしい暖かさを感じさせてくれる貴重な1枚だ。
子供の手のとどかない所に・・・おすすめ度
★★★★★
物書きに憧れただけあって歌詞は素晴らしいです。
整形、結婚、離婚などなど男女関係や家族関係の子供には見せられないエグイとこエロいとこ満載です。
今では入手困難なようですが初回版はDVD付です。
とても面白い作品です。(ミドリカワ書房の女装も見れます)
ストレートな歌詞は物語のキャラクターの心情のようで思わず「なんて勝手なヤツだ」「酷い」と思ってしまいます。
しかしその裏にはとても切ない想いがあと思います。
そういう意味でも大人向けな作品です。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!